16人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
私はそうかもしれないと、頭を柔らかくして考え直した。私の希望としては、家づくりに関わりたいのであって、建築家になりたいわけではない。
私は、どんな大学でそういう学科があるのか調べた。昔で言う家政科が分かれて、住まいの関連の学科になっていた。
納得した私は、文系を選択することにした。理系の藍ちゃんとは、クラスが別になる。
「でも、はす音との友情がおしまいになるわけでないから」
「ああん。藍ちゃんたら、何て嬉しいこと言ってくれるのん! でもなあ。藍ちゃんの数学脳が少しでも私にあったら良かったのに」
「えー。私からしたら、はす音の国語あたまの方が羨ましいよ」
そうなのだ。私の得意科目は、化学と生物と国語で、英語と社会系は普通。数学は地を這う。中学時代はそれほど悲惨な点数でもなかったのに、高校に入ってからはさっぱりだ。やっぱり根本的に理解してなかったんだと思う。
そもそも、何で理系と文系の二手に分けるのか。私みたいな成績の人間だっていると思うけどな。
最初のコメントを投稿しよう!