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親父は、ニヤリと笑みを浮かべた。
そう。今日は伊織先生のスタジオイベント恒例のハロウィンパーティー。そして毎年、親父がお小遣いを根こそぎ使い、母さんの鉄拳制裁を食らう日だ。
「お父さん、今年はたーんと貯金してたもんねー!」
その理由はハロウィンイベントの中身にある。このイベントの目玉はファンがにょたチョコ男子モデルにスイーツをあーんさせて食べさせることができるという、読者の世界でやったら間違いなく炎上する問題イベントだ。
ちゃんとお金は取るから、親父は毎年この日はすっからかんになる。たまに俺も巻き込まれて母さんから飯抜きを食らう。だけど、無理にスイーツ食べるからダイエットになってちょうどいいバランスになるのが俺的に悔しい。
俺たち、にょたチョコ男子モデルはハロウィン仕様のドレスに見を包んでイベントの開催を待っている。このイベント、基本的に座って食べりゃいいんだけど、結構キツい。
「あー。今年もあーんはあるのだが、モデルたちから一つ苦情があってな、食べる量が多い!とのことだ。なので今回から、あーんさせる回数は一人三回にさせてもらう。その分、料金もちょっと高くして一回二千円だ。ファンどもそれでもいいか!!」
最初は伊織先生の挨拶。並み居るファンどもは、オー!!と声をあげたが親父は違った。
「なんですとー!?ならば、私は何のためにお小遣いを貯めたのですかー!?」
あーんをさせるためではないと俺は内心思ったが口にしなかった。まぁ親父のことだから、俺が二回に香多くんが一回かな?ロリコンだしなー。無害だけど。
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