あの日に戻って。

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 目が覚めた時には、また彼のことが頭の中を占領していた。 「何が言いたいのよ」  苦々しく呟きながら、別れてしまった彼のことを思い出す。もう別れた理由もよく覚えていない。  それなのに、どうして私は何度も何度も彼を夢に見るのだろうか。夢は大体いつも同じ、彼が何かを言いかけて微笑んで目が覚める。  思い返してみれば、嫌いになって別れたわけではないと思う。優しい笑顔が好きだったし、ゴツゴツとしつつもきれいな細長い指が大好きだった。 「はぁ」  夜中の2時。大体の人はもう寝ている時間で、部屋の外からは何の物音もしない。肝心の所で毎回現実世界に戻されて、モヤモヤとして寝れない日々を過ごしている。  彼の名前は今でも思い出せるし、誕生日も思い出せる。なのに、別れた理由だけが記憶に残っていない。

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