冴えぬ決まらぬ少年剣士

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冴えぬ決まらぬ少年剣士

 時代劇の再放送を見ていたら、刀を提げたお侍が豪快に団子を食べていた。  それが格好良くて真似たくなって、僕は剣道の帰りに団子屋に寄った。  腰に提げているのは竹刀だけれど。 「お客様、店内でそのような物は……」  注意されてしまったので、今度は海岸に行って素振りを始めた。 「君、一人で練習かい? 海沿いは危ないから帰った方がいいよ」  また注意されてしまった。  少しは格好つけさせてほしい。  なんとも、世知辛くないのに世知辛い世の中だ。
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