線路

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線路

世の中の正しい行いを線路だとするなら、間違ったことを線路から外れると言うなら、僕は割とまともに線路を走ってきたと思う。 プラットホームでアナウンスが鳴る。慣れた車掌の声、定時に来る電車、強い日差しは日常なんじゃないかと僕を勘違いさせる。 電車はカーブになった線路を通って直線へ差し掛かる。 ちょうどその時、プラッターホームで電車を待つ人々が僕に気づいて悲鳴を上げた。 電車と向かい合う僕は線路から はみ出ないようにと体を中に入れる。 その行いはきっと線路からはみ出しているんだけど。
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