誰も踏んだことの無い場所

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 「俺さ、たまに考えることがあんだけどさ、ちょーくだんないかもだけど聞いてくんね?」    「嫌だっつっても、お前絶対話し始めんだろ」  昼休みの教室で隣同士の席でスマホゲームをしながら俺が一方的に無駄話を始める。それがいつもの事だった。  「誰も踏み込んだことがねー場所に踏み込んで、俺の足跡を史上初にしたい」  「なんだ、世界偏狭の地にでも旅に出たいって?そりゃ大層な志だ、がんばれ」  「そんなんじゃねーんだよ、もっと身近な場所でさ、例えばこの学校とか。そこそこ歴史あるし何万人て人間が歩き回った訳じゃん?そんな中で、誰も踏んで無い場所を踏んでみたい訳よ。何か、ちょっとした事なのにめっちゃ冒険心唆られね?」  「そうか、全然理解できねぇ」  「んだよぉ、やっぱ俺だけ?あー、今までの人間の足跡全部見えるようになんねーかな、そうすりゃあ簡単に誰も踏んで無いとこ分かるのによ」  「誰も踏んだこと無い場所なら知ってるぞ」  「え!?まじ?どこ?」  「壁」  「・・・・あー、、、」    次の日、俺は持ち前の身体能力で校舎の壁を走っている所を担任の先生に目撃され、職員室に呼び出された。  
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