遅れてきた反抗期

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健流には詳しく語れず、かいつまんで最小限で説明した。 「吐いたのか」 「あぁ」 「車の中で?」 「あぁ」 「オミ!でかした!!」 健流はガッツポーズして叫び声を上げた。 「あーーー、それ聞いてちょっと耐えた~~!!」 呆然としている晴臣は、健流にまた頭をぐしゃぐしゃに撫でられる。 「自分で、された事の仇は何とか取ったんだな。今回は、臣にも落ち度はあるから、我慢してやる」 「我慢?」 「そうでも思わないと……今すぐ、ぶっ殺しに行きたくなる」 「たける……」 「臣も良い教訓になったろ! 早く寝ろ! 寝ろ!」 いつになく怖い顔で呟いた健流を心配になったが、晴臣が話し掛けた途端健流はいつもの表情で 人懐っこい笑顔を浮かべ、家とは大違いのツルツルする掛布団で晴臣を覆った。 晴臣は初めて入ったラブホテルで、二人何もせずに寝た。 健流は晴臣に触れても来なかった。「寝ろ」と言ってから指一本。
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