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【 第五話: 怪物への転生 】
俺と上司は、やつの悪臭により、ブレーキ操作が遅れて、前の大型トラックに衝突し、更に後から来た大型トラックにも挟まれるように押し潰され、まるで人間の標本のように綺麗に潰れていた。
俺は薄れ行く意識の中で、依然として漂うやつの悪臭を嗅ぎながら、何故か笑っていた……。
――そして、次に俺が目を開けると、ヤケに夕日が眩しく感じられた。
俺は、その夕焼けを避けるように、温かな布状のものに安らぎを求めた。
「う~ん、温かい……。これは安らぐぞ……。こんな感覚は久しぶりだ……」
俺がしばらく、その温かい布に体を密着させていると、やがて睡魔が襲って来てしまった。
そして、俺はいつの間にか、眠ってしまった……。
『ガラガラガラ……』
「んっ? な、何だ……」
俺がその音に目を覚ますと、いきなり俺の掴まっていた温かい布が大きく動いて、床に叩きつけられてしまった。
俺は何が起こったのか、全く訳が分らなかった。
「な、何なんだ! 一体……!」
すると、その瞬間、俺は恐ろしく大きな怪物を目の当たりにしたのだ。
「う、うわぁーーっ! 何だっ! この大きな怪物はっ!!」
俺は、その巨大な怪物から必死に逃げた。
その時、俺は不覚にも『おなら』が出てしまった……。
『プゥーーッ!』
「しまった! おならが出ちゃった!」
しかし、その巨大な怪物は、何やら顔を歪めていた。
それでもなお、その怪物は俺を必死に探して、襲いかかってきた。
俺は、力の限り逃げた……。
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