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「たあ!たいい!」
アルファがまだ一歳にも満たなかった頃。
「まずいぞ!近くにモンスターがいるらしい!全員逃げるぞ!」
夜遅くに村中を若者たちは走り回る。
「アルファ、行くわよ」
母親はアルファを抱きかかえようとした。
「そんな赤ん坊置いていってもいい!とにかく逃げるぞ!」
父親は娘であるアルファの事などどうでもいいと思っていた。
母親は父親に右手を引っ張られ逃げていく。
「アルファ!ごめんね!」
そう叫んでいたがアルファには言葉が分からなかった。
「ぐるぅ?」
大きな猫型モンスターはアルファだけが残された村へたどり着いた。
「たい?」
ーー捨てられた?……餌……にしろというのか?……あまりにも可哀想すぎる。それに……体も痩せているーー
アルファは標準の赤ん坊と比べるとかなり痩せ型だった。
ーー魔力だけで栄養になるか分からないが……与えてあげようーー
モンスターはそう思うとアルファのおでこに自分の鼻をくっつけた。
ーーほら魔力だ。気持ちが良くなるはずだーー
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