2人が本棚に入れています
本棚に追加
手先に肉を切るような――しかしいつも料理で感じるものよりもはるかに重い――感覚を感じ、ハッと我に返る。
目の前には真っ白な世界。そして――
あの、芸能人の亡骸が、転がっていた。
腕は切り落とされ、首は数メートル先に転がっていたが、それは紛れもなく、あの芸能人の顔だった。
手から力が抜け、ナイフが足元の雪の上へと落ちる。
落ちたナイフは雪を赤く染め、あのことばをジワリと浮き上がらせる。
自分のしてしまったことを理解しそうになった、そのとき――
意識がまた切り替わり、そこにはいつもの自宅があった。
最初のコメントを投稿しよう!