秘密の落し物

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 清美は一つ年上の姉の直美と違って子供の頃から皆に持て囃され、ちやほやされる程、見てくれが良く成人を迎えた日には誰もが認める美人になった。そんな所以から清美は美貌を武器にキャバクラで働いていたが、直美はそれは無理だから真面路線を貫いてIT企業でOLとして地道に働いていた。  而してコロナ禍になると、直美はリモートで働くようになったが、清美は仕事がなくなったのでパパ活をするようになった。  そんな清美を直美は相変わらず猥りがわしく思って軽蔑していたが、あくまでも美貌を武器にした仕事がしたくてパパ活アプリを利用していた清美は、或る日、マイページのメールボックスに風変わりなメッセージが届いた。「モデルやりませんか?1日3時間トリプル諭吉」  相手のWEBページを見ると、職業欄に画家とあった。 「時給1万円か、悪くないわ。ヌードかな。そりゃあそうよね。このオジサマの前で、ふふ」  清美は写真欄の顔を見てそう形容してみて、にたりとしたのだ。  ニックネームはと言うと、バタイユ。  何処かで聞いたようなと思いつつ清美はバタイユに、いいねを送ってみると、3時間後にメッセージが送られて来た。「私の嗜好に適って1日3時間1ヶ月モデルをやり遂げたならワンハンドレッド諭吉払います」 「と言うことは何?私の裸体がバタイユに気に入られれば、私は1日3時間モデルをやるだけで一ヶ月後、100万円もらえるってこと?これってすごくない!」  清美はすっかり乗り気になってメッセージを返送した。「私、スタイルにも自信があります。是非モデルをやらせてください」  確かにルックス同様スタイルもナイスなので、そうアピールしてお願いした清美は、バタイユという名に何故か興味が湧いてネットで検索し、ウェキペディアを見たところフランスの思想家であり哲学者であり作家であり何でもエロティシズムを追求したとのことなので如何にもエロくてアートな感じがしてバタイユ自体に興味が湧いた。  結局、清美とバタイユはメールでやり取りしながらマッチングしてジョルジュという名の喫茶店で落ち合うことになった。
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