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第4章【危機】
ガススタンドを通り、お寺を通り、横断歩道を渡り、さらに新幹線の通る橋を渡り、我々はようやくのごとく学校についた。
入り口だけはとても静かだ。
靴を入れ、階段を上がった。教室にはあまり入りたくはなかった。でも他に行き場はない。
我々は教室に入ると、いつものメンツが教室で勉強をしていた。入った瞬間彼らは軽蔑した目でこちらを見た。僕は鞄を置くと、逃げ出すように廊下へ出た。行く場所なんてなくても教室にはいたくない。
リンは後を追うようにトテトテと歩いてきた。
「廊下寒いのに教室の暖房効きすぎだよ、居心地悪くなる」
彼女は罪なき暖房に文句をつけている。
あまり彼女の言葉に集中出来ずにいた。
あいつがいるクラスに目をやる。
あいつはいなかった。相変わらずだ。(あいつはいつも屋上で朝ご飯を食べていた。)
何も変わってない。でも何も無い方こそ、僕にとっては怖い。
僕が知らないところで何かあるに違いないからだった。必死に平気を装って、過ごしているのかもしれない。
そうなってくると、僕はより自分を責めたくなるから、僕はリンが言うように考えるのをやめた。
「ねぇ、これからどこ行くの?」
彼女は僕がさっきのに返事してないのに気付かず、話を変えた。彼女はいつも話していることをすぐに忘れてしまうのだ。
「飲み物買いに行こ、1番下の階に」
手間がかかっても違うところに逃げたかった。何も飲むつもりは無くても、お金を無駄にしてても、自販機に行っていた。
「ええ、階段疲れるよー」
いつもしていることじゃないかと思いながら、
「でも檸檬茶飲みたいから」
そう言うと、彼女はすぐ納得した。
僕が檸檬茶が好きなのを知っているから、容易く乗れたのかもしれない。
「あっ、そう言えばそこにしかなかった、まぁいいっか」
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