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「キャー!?」
朝も早くから──いや、昼近くから住宅街に耳をつんざく女性の悲鳴。
「うへへへへへ」
通勤する者のいないこの時間は、変態の時間でもある。コートの下の裸体を歩いていた女性にお披露目するのがこの男の日課であった。
それ以外はさしたる事はせず、ただ驚いてくれる事に快感を覚えている。ある意味、人畜無害の変態だ。
それだけで満足しているのだから、言ってしまえば放置してたって問題は無い。
「キャー! イヤー!」
「うあははははは!」
最近はみんな驚くフリだけして去っていくので刺激が足りなかった男は、こんなに驚いてくれる女性に喜んだ。
しかし次の瞬間──
「げふぁっ!?」
音もなく駆け寄った影にクロスチョップを浴びせられた。
「あたたたたたたたたっ!?」
背中の痛みと、倒れ込んだ時に肘を打った痛みに悶絶する。
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