奴隷の姿

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 奴隷として何度か売り買いされ二年程経った頃。  その時仕えていた家族は、他にも何人か奴隷をもっていた。その家はその辺りではかなり大きい方の家で、金持ちだった。  そして、趣味も悪かった。  ご主人様は、私たち奴隷を戦わせるのが好きだった。武士とか言うその人が、ある時私たちに竹刀を持たせ、打ち合いをさせ始めた。私は比較的強い方で、竹刀で叩かれても泣くこともしなかったが、一方で私とは真逆の様子を見せる奴隷がいた。奴隷の中でも特段弱虫の男の子だった。その子は竹刀を手にしても、体を震わせて向かって来ようともしないのだ。そして、竹刀で叩かれると泣き出してしまう。そんなその子に、ご主人様はいつも怒鳴って、暴力を振るうのだ。  弱い奴はいらない。  この家の用心棒にもならない。  そう言って、私たちを強くするという言い訳の反面、私たちが戦うのを面白がるために、ご主人様はよく私たちに竹刀を持たせた。  
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