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その家で暮らし始めてすぐ、私は龍さんがお酒好きということを知った。それも面倒なタイプで、普段より陽気に、そしてフラフラになる龍さんを介抱するのはもちろん、私の役目だ。
「メイ、おれのこと、すきでしょ?」
ある夜いつものようにべろべろになった龍さんを部屋まで運んで、龍さんの床を準備していた時、畳に寝転んでいた龍さんは突然そう言った。驚いて振り返ると、龍さんはやっぱり酔っ払った顔のまま、ニヤニヤしていた。
「何でそう思うんですか?」
どうせ明日の朝には覚えていないから、そこでムキになっても意味がない。そう思って、特に深くは考えず、私は軽く返した。
「何となくぅ。」
龍さんは仰向けに転がってそう答えた。呆れた溜息を漏らした私は、
「そんな所で寝たら風邪引きますよ。」
と龍さんの肩を担いで寝床まで龍さんを引きずろうとした。ふらふらの龍さんだから足元がおぼつかない。もう少しで布団に下ろせると思った時、不覚にもバランスを崩してしまった私はそのまま頭から布団に倒れ込んだ。もちろん、私が肩を担いでいる龍さんも同じように倒れ込む。布団があったと言えど、そんなにごつくもない布団だから、畳に頭をぶつけたと同じくらいの衝撃を受けた気がした。龍さんは大丈夫かと慌ててそっちを見たが、龍さんは顔をうつ伏せた状態で寝息をたてていた。どうやら酔っていたお陰で痛みは覚えなかったようだ。
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