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《1》重篤
月日は巡る。与えられた役割を果たす。ひとつの役割を終えたなら、新たに訪れる役割を静かに待つ――その繰り返しだ。
そのことに疑問を抱くはずもない。僕らのような者たちは、誰もがそうやって生きている。
自分に与えられている役割は、確かに他人のそれよりも幾分か重い。だがそれさえも、不服と捉える要素にはなり得ない。用意されている道を、ただ、日々歩き続けるだけ。
疑問に思うことはない。思ってはならない。そもそも、そうした疑問に思い至ること自体が異常である。この世界に生きる者にとっての「普通」とはそういうものだ。
それは安定であり、平穏でもある。この世で生きていくための常識、認識、そんな類のもの。
僕も、曲がりなりにも続けていたのです。そうした生き方を。
それなのに、あなたは僕のそれを根底から壊し、粉々にしてしまった。
あのときに僕が感じていたことを、いつかあなたへ詳らかに伝えられたならと、からっぽになった心のどこかでずっと思っていた。
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