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「ありがとう……これは、お誕生会に行くためにお母様に無理を言ってお借りした大切なものなのです。
お友達の家に着いた時無いのに気が付いて……私、一人泣いていましたの……そこに、これが届けられたのです。」
女の子はただただうつむいて憧れの女の子の話を聞いていました。
憧れの女の子は言いました。
「あなたに何かお礼がしたいの……なにがいいかしら?」
女の子はその申し出に、からだをきゅっとこわばらせながら……言いました。
「お友達になってくださいますか?お嬢様……。」
精一杯の勇気を込めて女の子が言うと、憧れの女の子はきょとんとした顔をすると、笑って言いました。
「何をおっしゃるの?私はずっとお友達だと思っていましたよ。
クラスでもあなたは何時もまじめで、お掃除やらの雑用も率先して引き受けて下さいましたね。
これは、わたしからのお願いです。
これからは私からでなく、あなたからもお声を掛けてくださいね。
そして、あなたの事をもっとお話下さいね。」
憧れの女の子はそう言うと、後ろに立っていた執事に言いました。
「私のお友達がお売りになっていた品物の残りがあったら、全部買い取ってちょうだい。」
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