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彼女は、そんな俺の慌てぶりを揶揄する様に
「だってそれじゃ、かれこれ一年女っけ無いんでしょ?」
そう言いながらアヒージョを食べている、麗の口元が油で濡れる。
麗と、こんな話をするなんて。
「おかわり!」
これ以上酒を入れては駄目だと思うが、何かで誤魔化してないと…
「チイ兄も、自分でシテるの?」
「!!」
彼女は唇に付いた油を舌で舐めとり、上目遣いに俺を見る。
俺は生唾を飲み込んだ。
更に彼女は、俺の心臓を跳ね上がらせる様な言葉を続ける。
「シテみない?私と」
目の前にいる人間は、本当に俺が昔から知っている、高野麗だろうか。
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