祭り

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「少なくとも殺人鬼はお前の行動を監視してる。だから子どもたちの居場所も分かったのかもしれない。いや…もしかしたらその前から子どもたちの行動を知っていたのかもしれないな」 「どういう意味ですか?」 本田は野本を睨むような目つきで見た。 「あの姉妹に近づきすぎだ。彼女たちは完全にマークされてるぞ」 そう言われて意味を悟った。 犯人は野本だけを監視してるわけではない。おそらく槇原家の人間を監視していて、架音と美乃梨もその一部なのだ。だとしたら、彼女たちの友人を観察していた可能性もある。 「子どもたちは利用されたって事ですか……」 野本が訊くと、本田はふんっと鼻を鳴らした。 「この現場を見た限り、そうだろうな。子どもたちにつながる物証が山ほど出てくる。犯人に利用されたとしか思えないな」 野本は右手の指で口唇を強く掴んだ。 「全員、播磨伊織が殺したんだとしても重労働だ。標的をどう選び、どうやって短時間で遺体を掘り起こしてここに運んだのかも分からない。仲間がいたとしてもかなりのイカレ野郎だぞ。今後のお前の行動は監視せざる得ないな」 本田が言うと、野本は小さく頭を下げて大広間を後にした。 このままでは本当に槇原家の人間や神藤に迷惑がかかってしまう。それどころか、野本への挑戦状が警察組織全体に向けられているのだ。 野本は冷たくなった手で額を押さえ、ゆっくりと息を吐き出した。 〈隠恋慕・完〉 『告げ口小説』に続く……。 2月前半更新予定。
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