隣人

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 綺麗に切り揃えられた真っ黒な髪をなびかせ、真っ白な肌に、まるで作り物のようにきれいな目と鼻と口がバランス良く配置された小さな顔。  身長は分からないが、手足が長く、少しでも重いものを持てば折れてしまうのではないかと思うくらいに華奢だった。  家の前に業者が来ることも、引っ越しの挨拶にも来ることもなく、少女はほとんど近所に知られることなくその家に住んでいた。  普通気が付くだろ、と思うかもしれないが、ここの住民は基本他人には無関心なのだ。  だからこそ、少女はここに引っ越してきたんだろうと、後から思う。
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