隣人

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 暫く立った日の夜。 「…あれ?」  いつものように彼女がいる隣家の窓を見ると、彼女は目をつぶり、窓に凭れていた。  まぁ、そんな日もあるだろう、とその日はさっさと布団に入った。  しかし、次の日も、その次の日の夜も、彼女は目をつぶったままで、目覚める気配もない。  まさか、と思った。  ひやりと、心臓が冷たくなった気がして、息が詰まった。  慌てて部屋を飛び出し、階段を転げるように下りる。  「ちょっと出かけてくる!」とリビングで寝転ぶ母に告げ、つっかけのサンダルに足を突っ込みながら、慌ただしく玄関を飛び出した。
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