隣人

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 西洋式の、大きい窓。  その窓辺に、長い四肢を折り曲げ、心地よさそうに目をつぶる少女がいた。  月夜に照らされた華奢な姿は、余りにも美しくて、儚くて、 「……」  涙が、零れた。  止まらなかった。  滲む視界。美しい少女もまた、揺らぐ。  ゆっくりと歩み寄り、恐る恐る、美しすぎる少女に触れた。  ─────初めて重なった唇は、氷のように冷たかった。
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