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火曜日の昼下がり。
灼熱の日差しがヒリヒリと肌を突き刺す。
人も建物も密集した東京では、
ヒートアイランド現象の影響が大きい。
だが、それよりも深刻な現象がある。
それはデパートや駅へ入った
瞬間に発生する。
街中を歩いて噴き出した汗が
効きすぎた冷房によって
急速冷却されて身震いする、
ということが頻繁に起こるのだ。
人間には外部環境が変わっても
それに適応する能力、
すなわち恒常性が備わっているが、
それでも対処しきれない極地に
迫っているのではないか、とさえ思う。
金属やガラスは高温に熱され、
一気に冷やすと脆く壊れやすくなる。
であれば、人間だって。
僕はこの現象に憎しみを込めて、
"強制冷却身削り現象"と名付けたい。
被害者の会を設けよう。
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