あなたの愛したエンドロール

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 自分が殺した元恋人がやってきて、自分の作品が剽窃だという事実をつきつけてきて――あまつさえ、自分のことを人殺しだとなじってくるのに。 (それで平然と作業を続けるって、一体どういう神経をしているんだ……?)  いや、荒れ放題の寝室を見て、私もすこし毒気を抜かれてしまったところはあるけれど。でも、気に入らなかった。  まるで、今をときめく葛城陽菜監督に死んだ元恋人に構っている時間なんてないって、そういわれているような気がして腹が立つ。 「なんですか、探されちゃまずいんですか?」 「別に。ただ、そんなものを探して何の意味があるんだか疑問なだけよ」 「意味がなくちゃいけないんですか? そんな言い方、ますます怪しいって思いません?」 「さぁね。でも、あなたがそんな労力をかける必要はないと思う」 「どうしてですか?」 「必要がないから」 「必要ないってどういうことですか?」 「いや。全部、君の妄想だから」 「コーヒー飲みますか?」 「……いま聞く?」 「やっとこっち見ましたね」  この部屋で作業をするためだけに、ばっちりとメイクを施された葛城の顔をじっと見つめる。  実際のところ、彼女がなんといおうと私は見つけ出したいのだ。夏雨の最期に撮っていた映像を。だって、夏雨のことは全部知りたい。
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