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「なんだよ、つまんねぇの。まぁいいや、ほら見ろよ。知り合いから非公開求人とかもけっこう送られてきてんだよ。まぁ、手当たり次第の一括送信……って感じで『女性限定』みたいな求人も送られてきてんだけどさ」
「なにそれ、やらしい仕事?」
「ちげーよ。ほら、例えばコレとか」
コレ、と液晶が鼻の先に突きつけられる。
「近い。見えない」
「ああ、わり」
「……求人、アシスタント募集」
「そうなんだよ、しかもアレだぜ。新進気鋭の映像作家! 男にも女にもモテる超かっけぇ女監督!」
高槻に突きつけられたスマホ。その液晶には、こうあった。
『映像作家・葛城陽菜総合アシスタント募集のお知らせ』
給与、休暇、待遇良好。
急募、女性限定。
「……これ」
「すげぇだろ、ハルナ・カツラギ! 海外在住時に動画サイトに投稿した美麗で退廃的かつ清涼感溢れる独特な世界観のMVでブレイクした謎の日本人アーティスト!」
「知ってる」
「お、意外と詳しいね。知る人ぞ知るってかんじなのに。今度、本格的に長編映画に進出してくるらしくって、日本での活動拠点で働いてくれるアシスタントを募集してるんだよ。総合アシスタントだってさ。ただ、クソみてぇなのがさ、これ俺は応募できねぇんだわ。葛城陽菜ってすげー男嫌いらしくてさ、それで女性限定」
「なるほどね」
親指を動かす。
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