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志桜里は緩慢な動作でブラウスを脱いでいたのだが、袖口で引っ掛かってしまったようで、少し不機嫌に名前を呼ばれ、腕を目の前に出される。
「…ぬあして」
ベッドの上で「脱がして」とか、やばいだろ……
気持ちを落ち着かせ、袖口のボタンを外して、ブラウスを脱がせてやる。
すると、志桜里がキャミソールまで脱ごうとしているではないか!
「ちょ!待って!それはダメだって!」
「らって、くるしーから、これはずしたいの~」
これ、というのはブラジャーのことだ。
確かに締め付けられて苦しいのかもしれないが…
そんな真っ裸になられたら、たまったもんじゃない。
どうする?
あ!じゃあ、キャミソールは着たままで、ブラだけ外せばいいんじゃね?と思って、服の上からなんとかブラのホックを外してやる。
肩からブラの紐だけズラして、脱ぐ手助けをする。
これでやっとお役目御免だ、と思って立ち去ろうとしたら、志桜里に呼び止められる。
「しんろー。にげるら~。まららめ~」
なんで?!
すると今度はスカートを脱がせろと言う。
……マジで?!
それ、俺はどう受け止めればいいわけ?誘ってる?
……わけじゃないよな~
酔ってるから、ホントに寝る為にラクになりたいだけ、だよな~…きっと…
変な期待を抱かぬよう、これは要救助者である!と何度も言い聞かせながら煩悩を追い払い、できるだけ見ないようにして、なんとかスカートとストッキングまで脱がしてやる。
下着姿でベットに横たわる志桜里が目の毒で、すぐに布団を被せる。
そして、ため息をつきながら、脱いだ服を畳んでいく。
俺は母親か?
という一人ツッコミを入れながら、畳んだ服をテーブルの上に置く。
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