自覚

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「お連れ様、いらっしゃいました~! ごゆっくりどうぞ~!」 案内されたテーブルに行くと、男性が三人いて、一人は突っ伏していた。 「お!いらっしゃい!横田志桜里ちゃん?」 えっと?……誰? とってもフレンドリーに話しかけて来るのは、見たことない人。 「はじめまして。ごめんね~急に呼び出して。お~い!進藤!彼女来たぞ~」 机に突っ伏しているのは、進藤さんのようだ。 「立ち話もなんだから、横田志桜里ちゃんとお友達も座って!」 そう言って私たちの座るスペースを作ってくれる。 私は進藤さんの隣に、美奈は私の前に座る。 「じゃ、あらためて。オレは進藤の同僚で前島って言います。で、そっちが新井ね」 新井さんはペコっとお辞儀をする。 「実は、最近進藤がヤケにヘコんでて、今日飲みに連れだしたら珍しく飲み過ぎちゃってさ~。で、今そんな状態ね」 そう言って机に突っ伏している進藤さんを指さす。 「なんかさっきからずっと、わかんねぇ~とか、なんで連絡くれないんだ~とか言っててさ。で、そんな時に志桜里ちゃんからメッセージきたから、たぶん進藤の悩みの元は志桜里ちゃんかな~て思って、オレが勝手に返事して呼んじゃったってわけ」 あの文面はこの前島さんが送ったものだったのか……納得。 そしてサラッと「志桜里ちゃん」とか下の名前で呼んでるし…… 「でも、ビックリだわ。進藤にこんなかわいい彼女がいたなんて。聞いたことなかったからさぁ。そりゃオレの誘い断るわなぁ」 「あ、いえ、彼女では……」 「ケンカ中か何かでしょ? 何が原因か知らないけどさ~、もう許してやってよ。ここんとこず~っと暗くてさ、辛気臭えったらありゃしない。こんな進藤はじめて見たよ。たぶんめっちゃ反省してると思うから、ね?」 彼女じゃないって言ってんのに、この人、全然人の話聞かないな……
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