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突然離れたと思ったら、私から視線を外してなにやら呟く進藤さん。
「志桜里……イヤならちゃんと抵抗しなきゃ。じゃないと、前みたいに…俺勘違いしちゃうから……」
え?勘違い?
「やっと会えたのに……なんで……彼氏いるとか、先に言っとけよ、バーカ」
「や、それ、違います!私、彼氏なんていません!」
酔って夢うつつの人間に、真面目に答えても意味がないのかもしれないが、それでも続ける。
「ちょっと困ってたことがあって、会社の先輩が彼氏のフリしてくれてただけなんです!付き合ってなんかいません!」
「……彼氏の…フリ?」
「そうです!」
「……付き合って、ない?」
「そう!」
「んん〜……じゃ、俺は?」
「え?」
「……なんで、抵抗しないの?……イヤだったんでしょ?」
フラフラして焦点も定まってないのに、会話は成立してる。
本人はちゃんと意識があるのだろうか。
「イヤじゃ…なかったです」
「でも、逃げたじゃん」
「だって!あれは……セフレにされると思って……」
「セフレ?………あぁ、俺、遊ばれたのか…」
「は?!いやいや、そう思ったのは私の方で」
「あんな裸同然の格好で抱きついてきて、……悪い女だ。…耐えた俺を褒めてくれよ」
裸同然の格好で抱きついた?!
なんてことしてるの!私!
あぁ、やっぱり私が迫ったみたいだ。
え?でも今耐えたって言った?
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