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「そっか……セフレか~……だからか~、小悪魔なのは…」
「いや、違いますよ!私セフレとかそういうのはイヤで!……私から、その、迫ったとかいうのは、酔ってて覚えてないんですけど…」
「あれ~?……でも、男苦手じゃなかった?」
「……え?」
なんで男が苦手って…
私そんな話した?
「まるで別人だな……酒が入るとこうも変わるのか……」
なにそれ。別人?
まるで普段の私を知っているかのような口ぶり。
酒乱みたいな言われ方は否定したいけど、記憶をなくしたのは紛れもない事実なので、なんともいたたまれない。
それに、美奈の言うように、私と進藤さんはどこかで会ったことがあるの?
「それでも…俺は、嬉しかったけどな」
「う、嬉しかった?」
「好きなコと抱き合えたんだから、嬉しいに決まってる」
「え!好き?」
半分閉じかかった目だけど、見つめられてドキドキする。
「わたし、のこと?」
「ん?」
「好き、なんですか?」
「うん。……たぶん、初めて会った時から、ずっと、好きだった」
「え?初めて、て飲み屋で会った時ですか?」
「違う。……やっぱ覚えてねー」
やっぱりどこかで会ってたんだ!
それを、進藤さんは覚えてて、私は忘れてる…
え?いったいどこで?
さっぱりわからない。
「ねえ、どこで?どこで会ってたんですか?」
「……ふぅ~…ん……ねむ……」
「ちょ、ちょっと!ねぇ!ウソ?!寝た?気になるから!」
首をがっくりと落としてしまった進藤さん。
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