429人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
繋がる想い【交互視点】
※ 途中で視点が切り替わります。
――――――――――――――――
いい夢をみた。
そう思いながら目覚めた。
救命講習を受けに来ていた志桜里に会った日、何か言いたそうにしてたから連絡先を教えた。
でも、一向に志桜里からの連絡はなく、間違ってた教えたのでは?と、田上を責めたりもした。
確か、彼女は俺に対して怒っていたはずだ。
彼氏がいたから、忘れたい過ちなんだと思った。
でも、違うと言っていた。
何が違う?
その話をしたかったのではないのか?
それとも、別に連絡を取るほどのことではなかった?
じゃあ、なぜ俺を引き止めた?
どういう意図があるのか、さっぱりわからなくて、悩みまくっていた。
そんな時、前島さんに誘われたので飲みに行った。
男三人で安心して、ついつい飲み過ぎてしまった自覚がある。
志桜里のことばかり考えてたからか、夢に彼女がでてきた。
無情にも、夢の中の志桜里は優しく俺に笑いかけてきた。
俺の願望がそうさせているのだろうか。
まったく、人の気も知らないで…
夢の中の彼女に文句を言っても仕方がない。
シャワーでも浴びて頭をスッキリさせよう。
そう思って、体を起こし、寝室を出た。
リビングに入ったところで、足が止まった。
キッチンに、ここにいるはずのない志桜里がいたからだ。
え?
俺まだ夢を見てる?
なんで彼女がうちにいる?
「ん?あ、おはようございます。勝手にごめんなさい!食パンと卵があったから、軽く朝ごはん準備してるんですけど、食べます?」
「……うん。………え?夢?」
そう言うと、彼女は柔らかく笑って答える。
「顔、洗ってきてください」
どういうことだ?
なんだかよくわからないが、とりあえずシャワーを浴びる。
最初のコメントを投稿しよう!