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「ご飯できたから、とりあえず、食べましょ」
いまだに状況が把握できずに固まってる俺に、彼女が申し訳なさそうに続ける。
「あの、勝手にしてごめんなさい。ちょっと図々しかったですね」
我に返り、テーブルの上に並べられた朝食を見る。
フレンチトーストにベーコンとサラダが添えられている。
「あ、いや、全然構わないし、逆にお礼を言いたいくらいだよ。俺、いつも普通にパン焼いてジャム塗るくらいだから、すげー！めっちゃ美味そう！」
「飲み過ぎた次の日とかって、ホントは味噌汁がいいんですけど、味噌が見つからなかったので…」
「うん。味噌なんて置いてないな」
彼女は申し訳なさそうに言うが、二人で朝食を食べるというシュチュエーションが嬉しくてニヤけてしまう。
手を合わせて「いただきます！」と言ってから食べ始める。
「うまっ！食パンにこういう食べ方があったのか。俺ほとんど料理しないから」
そう言って笑うと、彼女も笑い返してくれる。
なんか、いいな……
こういうなんでもないことで笑い合える穏やかな朝。
昨夜の記憶を辿りつつ、彼女に話をする。
「あのさ、昨日ごめんね。酔ってて記憶が曖昧なんだけど、連絡くれたんだよね？で、俺があの店に呼び出しちゃった、で合ってる？」
「あ～、呼び出したのはあの同僚の、前島さん？ですけどね」
「前島さんか……付き合わせてごめん」
「楽しかったからいいです。進藤さんにも会えたし……」
不意打ち。
まるで会いたかった、て言われてるようで……
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