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すっかり彼女気取りで勝手に朝食を作ってしまい、早まったかな、なんて不安になったけど、喜んでくれたようで良かった。
それに、「いただきます」や「ごちそうさま」が自然に口に出るところだったり、当然のように食器をさげてくれるところや、食器を洗おうとしてくれたことにも好感がもてた。
話をして、昨夜の記憶が全くないわけじゃないってことがわかり、少し焦る。
どこまで覚えてるんだろう……
ソファで寝た私を気遣う発言があったので、気づかれていないかも、と思い、そのままにした。
実は彼の隣で寝てしまった、と自分から暴露するのは恥ずかし過ぎる。
そんな大胆な行動をした自分にも驚きなのだが。
そしてもう一つ自分の行動で驚くのが、今日、会社を休んでしまったこと。
泥酔した進藤さんが心配だったこともあるけど、このまま黙って去ってしまったら、昨夜美奈を巻き込んでまで、ここに来た意味がないように思えたからだ。
洗い物をする私をすぐそばで見ている彼は、申し訳ないとでも思っているのかその場から離れない。
「え!それ…」
「え?どれ?」
洗い物をしていたら、突然びっくりしたような声で言われ、彼の目線の先を辿る。
視線は私の胸元に……
あ……
慌ててブラウスを寄せて隠す。
もしかして見えちゃった?
そんな斜め上から見下ろしたら、そりゃ見えちゃうよね。
「あの、ここは大丈夫なので、そっちでくつろいでてください」
そう言うも、進藤さんはその場所から動く気配はない。
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