繋がる想い【交互視点】

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「なんか赤くなってなかった?大丈夫?」 やっぱり見えたのか…… そして、そのことに触れてくるんだ… 赤くなってなかった?て、キスマークだってわかるよね? てゆーか、自分でつけたくせに、忘れた? ちょっと恨めしくなって小声で言う。 「自分でつけたんじゃん……」 「え?俺が?」 考えてる。 凄い考えてる。 「あー!てっきり夢かと…。そっか。や、ホント、ごめん」 思い出したらしい。 ずいぶん考え込んでいたけど、どうやら記憶はあるようだ。 そんなバツの悪そうな彼の顔を見て、イヤではないことを伝えたくなった。 「……見えるところにはつけないでくださいね」 「え?……え?!」 思ったよりも小さな声だったのは、恥ずかしさから。 でも、彼の耳には届いていたよう。 彼から視線を外して洗い物に集中する。 物凄く視線を感じる…… 移動した、と思ったら、うしろからゆるく抱きしめられる。 「ひゃっ」 ビックリしてお皿を落としそうになった。 「それってさ、見えないとこならつけてもいい、てこと?」 私の耳元で(ささや)く声が、甘さを含んでいる。 「……そうは、言ってない、です」 そう反論するも意味することは同じで、今さらながら恥ずかしさが増してきて、顔が赤くなるのがわかった。 「でも、そういうことじゃん」 え、なにこの甘えた声。 ヤバい。凄いドキドキする。
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