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「……見えるところにはつけないでくださいね」
かろうじて聞こえた言葉に、テンションがあがる。
だって、見えるとこにつけたらダメ、てことはつまり、つけられること自体はイヤではなく、見えないところならつけてもいいってことだよな?
昨日の朧気な記憶は夢だと思ってたが、あれがすべて現実だとすると…
志桜里は俺に会いに来てくれて、彼女だと勘違いした前島さんに言われて一緒に家までついて来てくれた。
で、俺は夢だと思って、彼女を抱きしめてキスをした。
それから、彼女に恨み節を言いながら、気持ちを打ち明けてしまったような気がする。
それを聞いてもなお、今ここに居るってことは、俺の気持ちが迷惑ではない、てことだよな?
そして志桜里に彼氏はいない。
俺の誤解を必死に解こうとしてた。
俺に連絡するのに、緊張してた。
泥酔した俺を放っておけず、俺の家に泊まってくれた。
そのうえ、朝ごはんまで作ってくれた。
さらには、昨日も体に触れてしまったが、たぶん嫌がってなかった。
そして、キスマークつけても怒ってない。
見えないとこならつけてもいい、と。
これって、もう、俺のこと好きってことだよな?
そう思ったら、嬉しくてたまらなかった。
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