繋がる想い【交互視点】

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* 焦った。 拒否されたから、気持ちが通じ合ったと感じたのは、また俺の勘違いなのかと思った。 イヤじゃなくて、今日がダメ… 一瞬考えてしまったが、月に一度の女性特有の理由だと気づいた。 ちょっと……いや、もの凄く残念だが仕方ない。 まだまだ話したいこともあるし、もう少し居て欲しかったが、彼女は帰りたいと言う。 かなり沈んだ声を出してしまったが、そりゃそうだよな、男の家には必要なものなんて何もないから家に帰りたいだろう。 それに、痛みとかも仕事を休むほどキツい人もいると聞くし、俺がいたらゆっくり休めないかもしれない。 それならば、せめて彼女を送って行こう。 そう申し出たら、今度は拒否されなくて安心する。 彼女のマンション前に停車したが、彼女は下りるのを躊躇っているような感じ。 それをいいことに、部屋までついて行くことにした。 これで、彼女の部屋がどこかわかる。 部屋の前まで来ると、離れ難くなってしまった。 でも、なかなか部屋に入ろうとしない彼女。 ひょっとして同じように思ってくれているのではないか。 「俺の自惚れかもしれないけど、離れたくない、て思ってる?」 「え……」 たぶんそうだ。 そう思ったら抱きしめたくなった。 が、ここは人の往来があるマンションの廊下だ。 「ちょっと玄関まで入らせて」 そう言ってドアの内側に入る。 「俺と同じだ」 志桜里を抱きしめる。 やっぱり彼女の腕が俺の背中に回される。 なんか、幸せだ。 離したくないな…
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