繋がる想い【交互視点】

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しばらくして腕をほどき、至近距離で志桜里と見つめ合う。 自然と唇が近づき重なる。 深く求めてしまいそうになるが、 啄むようなキスだけに留める。 これだけでも充分気持ちいい。 「はぁ、ヤバい。余計離せなくなる」 なかなか彼女を離してやれなくて、苦笑いする。 ダメだな、帰らなきゃ。彼女が休めない。 「今度はちゃんと連絡して」 「……はい」 「俺も連絡する」 「はい」 「また、会いに行く」 「はい」 「ちゃんと暖かくして休みな」 「はい」 「志桜里」 「はい?」 愛してる、と言おうとして、さすがにちょっと重過ぎだよな、と思い直し、 「またな」と触れるだけのキスを落として志桜里の部屋をあとにする。 帰宅してソファに寝転ぶ。 そういえば、昨夜彼女はここに寝たはず… だけど、彼女の残り香なんて感じられなくて、少し残念になる。 しかしその日の夜、自分のベッドに横になった時、微かに彼女の香りがした。 え? 不思議に思ってうつ伏せてシーツを臭ってみる。 傍から見たら、変態以外の何者でもないが… やっぱり! うっすらだけど、彼女の甘い臭いがする! そうか、彼女はソファではなくて、ここで寝たのか。それで曖昧な返事を… ものすごくニヤけてしまった。 そして思い出すのは昨夜のこと。 夜中に何かがくっついてきて暖かいと感じたのは、彼女だったのでは? ヤバい! 可愛い過ぎか! その後、しっかりヌいてから、幸せな気持ちで眠りについたのは言うまでもない。
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