募る想い

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「定期的に坊主にしてるの?」 「しないよ。あの時は、前島さんとの賭けに負けたバツゲームだったんだよ」 「バツゲームかぁ。……じゃあ、もう坊主にはしないの?」 「しない」 「……そっか」 「なんでちょっと残念そうなの?」 「だって刈りたての頭って触ってて気持ち良くない?私、弟の頭よく撫でまわしてたんだよね~、懐かしい」 もしまた坊主頭にすることがあったら撫で回してやろうと思ってたけど、もうないのか…残念。 「言ってくれたら触らせてあげたのに」 「そんなの初対面の人に言えるわけないじゃん!」 「あはは」 「それに、あの時、ちょっと男の人敬遠してたし……」 「やっぱそうだったんだ。それって、なんで?なんかあったの?」 「え?やっぱ、て?」 そういえばこの前、進藤さんが酔っぱらってた時も、男が苦手だったんじゃないのか?とか言われたけど… 「だって、俺が近づくと緊張してたでしょ?男が苦手なのかと思って…。それなのに、居酒屋で会った時はくっついてくるから、ホントに同じ人かと疑ったよ」 ニヤッと笑ってくるのは、あの日の私の醜態を指してのことだろう。 それで別人みたい、なんて言ったのか。 居酒屋でくっついてくるって……私、はしたない女みたい。 話題変えよ。 「ところで、どういう賭けをして負けて坊主になったの?」 「え?……それは、まぁ、いいじゃん。てゆーか今、わかりやすく話逸らしたな?俺は男を敬遠してた理由を聞いたのに」 「じゃ、どんな賭けしてたのか教えてよ。教えてくれたら、私も教える」 「……くだらないことだったから、忘れたよ」 「ウソだ!絶対覚えてる!今の間がなんか怪しいもん!」
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