ありえない

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その日の夜、約束通り電話をかけてきた美奈の話によると、 昨夜、飲み過ぎて悪酔いした私は、仕事の愚痴を大声でぶちまけていたらしい。 それを聞いた隣のテーブルの男の人たちが、愚痴に同意してなだめてくれ、流れで一緒に飲むことになった。   それから、私の隣に座った男性に絡みまくってたようで、かなり迷惑をかけたようだった、と。 にも関わらず、彼は甲斐甲斐しく世話までしてくれたそう。 帰りは一人で歩けない私を親切にも送っていってくれた、と。 「ひどいよ!なんでその日に会ったばかりの男に私をたくすの?」 『あんたがそれを言うか!志桜里が彼から離れなかったのよ』 そんなバカな! 『私だってついてくつもりだったわよ!進藤さんだって、私に一緒にタクシーに乗ってくれって言ってたし。でも、あんたが私を突っぱねたんですー!だから私も彼に言ってやったわよ。こんな酔っぱらいでよければ、頂いちゃってくださいって!アハハ』 「ひどい……」 あの男は「進藤」という名前らしい。 そして、美奈の話を信じるなら、どうやら私に非があるようだ。 ちょっと彼に悪かったかな、て思ったけど、彼の態度を思い出して、すぐに考えを改める。 『で、ホントに頂かれちゃったわけだー』 美奈は絶対おもしろがってる。
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