【おまけ】あの夜の真実

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それなのに、誘惑に負けた俺は、水を志桜里の口の中に流し込んだあと、舌を差しこんで口内を舐めた。 なんだこれ。超気持ちいい。 酒臭いはずなのに、なんだか甘い。 俺の腕を掴んだ志桜里から、その行為を咎められるのかと思いきや、とんでもない発言が飛び出す。 「…ん……きもちいー…」 そんなこと言われたら、止められないじゃないか! もう水は飲ませてなくて、普通にキスしてるだけになった。 「んはぁっ………」 彼女から甘い声が漏れた。 鼻にかかった声が俺を刺激する。 もっともっとと、彼女を求めてしまう。 ヤバイ…… やめられない、とまらない。 どこかのお菓子のキャッチコピーみたいだけど、彼女とのキスが気持ち良すぎて理性が崩壊しそうだ。 いかん! このままここにいたら彼女を組み敷いてしまいそうだ。 早くここから立ち去ろう。 そう。 俺は重大なことに気が付いたのだ。 ゴムがない… まだキスの段階なのに、ちゃっかりそんなことを考えてしまってる自分が笑える。 酔っている志桜里に手を出すつもりはないんだけど、誘われたら断る自信はない。 でも、今気づいて良かったのかもしれない。 この先途中で止めるのは至難の業だ。 調子に乗り過ぎた。 もう、やめよう。 そう思ってキスをやめ、志桜里をギュッと抱きしめたあと、離れようとした。 そこに、再び悪魔が降臨した。 志桜里が俺の腕をやんわり掴んできて、 「やめちゃうの?」 なんて可愛く言う。 やめたくはないんだ! でも、やめないといけないんだよ!!
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