記憶のない朝

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とりあえず寝たフリを決め込んで考える。 ちょと待って! どういうこと?! なんでこんなことになっちゃってんの?! 落ち着け私! とにかく整理しよう! 昨日どうしたっけ? 昨日は確か、美奈と一緒に居酒屋に行って…… え?それからどうした? 二人で飲みに行ったはずなのに、なんで男の人が? もしかして、ナンパ? …は美奈や私がOKするとは考えにくいし… 誰かと合流でもした? さっきの声だけじゃわかんないけど、知り合いだったら非常に気まずい。 どうしよう!? だって、この状況ってやっぱり… ヤっちゃった? ウソッ!!嘘だよね?! なんで何も覚えてないの? 酔って記憶なくすとか、どんだけだよ!あり得ないでしょ! なんて冷めた目で見てたのに、まさか私が?! とにかく、この状況から抜け出さないと、落ち着いて考えられない。 できることなら、この後ろの男より先に起きて、気づかれないうちにこの部屋を去りたかった。 でも、今声をかけられたってことは、もしかしたら、後ろの男はもう起きちゃったのかもしれない。 お願い!もう一度眠って!! 眠ってくれれば、その時にここから逃げられる。 でも、万が一起きてしまったとしたらどうしよう。 ……待てよ? よくあるパターンだと、目覚めた男はシャワーを浴びに行く。 それだ! 後ろの男がシャワーを浴びに行った隙に帰ろう! 男がシャワーに行く確証もないのに、そんな考えに至った。
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