回顧

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「でもさ、私思うんだけど、最初からセフレって考えてたとしたら、後腐れなくホテルに連れ込みそうじゃない?」 「そう?」 「考えてもみなさいよ。セフレってことは、いずれ別れるってことでしょ?別れる予定の女に、自分の家とか教えるかな~? もし、タチの悪い女なら、ストーカーとかになりそうじゃん。それに本命ができた時とか困るでしょ」 「まぁ、言われてみれば…」 美奈は私より経験豊富っぽいので、妙な説得力がある。 あの人は、私が住所が言えないほど酔っぱらってたので、仕方なく自分の家に連れ帰ったと言っていた。 確かに、体が目的だったならホテルでもいいと思う。 はじめからセフレにするつもりだったと思ってたけど、体の相性がいいかどうかなんて、やってみなきゃわからないわけだし。 じゃ、私が住所を伝えられてたら、そのまま送り届けられて何もなかったのかな? いや、家の中まで送る、とか言われて家に上がり込まれてた可能性だってある。 その方がイヤかも。 良く知りもしない人に住所を教えたくはないし、家に上がり込んで欲しくもないもんな。 そう考えると、あの人は自分の家に私を連れて行くことに抵抗はなかったのだろうか、なんて思う。 もし私がストーカーになったりしたら、どうするんだろう。 まあ、そんなことには絶対ならないけどさ。 美奈に言われていろいろ考えていたら、本当にセフレにされそうだったのかわからなくなった。
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