記憶のない朝

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ところが、回された手が、私の身体をゆっくりと撫で始めた。 再びパニック状態に陥るが、その優しい触れ方になぜか嫌悪感はない。 そして、キャミソールを着ていることがわかり、少し安堵した。 彼がうなじに口づけをしてきた。 やばい!今、ビクッてしちゃった! その後も、耳の後ろや肩にキスされ、体を撫でまわされる。 その触れ方が、もどかしいくらいにソフトタッチで、くすぐったいのと感じてしまうのとの紙一重でゾクゾクする。 気を抜けば変な声が出てしまいそうで、身体が反応しないように必死だった。 その手が服の下に潜り込もうとしている気がしたので、寝ぼけたフリして彼の手を払い除ける。 だけど()りずにまた触れてくる。 今度はキャミの上から胸に触れてきた。 強引に胸に手を這わせたくせに、すごく優しく包み込んでくる。 ブラジャー、してない…… 確かに胸の圧迫感はなかったけど。 てことはやっぱり… 考え込んでいたら、男の指が服の上から敏感な部分をかすめ、思わずビクンッと反応してしまった。 それに気がついた彼は一瞬動きを止めた。 だけどまたすぐ再開し、今度は先端ばかりいじってくる。 「ん…」 溜まらず声が漏れてしまった。 「やっぱり起きてんじゃん」 耳元でそう言われ、体を撫でる手つきに遠慮がなくなった。
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