あの夜のこと【美奈 視点】

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そろそろお開きにしよう。 そう言ったのに、志桜里がまだ飲みたいとダダをこねる。 今日は過去最高に酔ってるな。 すきっ腹にチャンポンするから… 「私は明日も仕事なの!そろそろ帰らせて」 そう言ったところで、酔っ払いに話が通じるかな、なんて思っていたが、案の定、志桜里からの返答に困ってしまう。 「いいよ~ぉ~。みなはかえっても〜」 まったく……本当に帰ったら、あとで私を責めるでしょ! 「あ、オレも明日仕事」と、木原さんが言えば、 「じゃあ、そろそろ帰ろっか」と進藤さんも続けてくれる。 私の苛つきを感じ取ったかのように、男性陣が賛同してくれて良かった。 足が覚束ない志桜里を進藤さんが支えてくれる。 「美奈さん、ごめん。志桜里ちゃんの荷物持ってくれる?」 そう言ったあと、木原さんと何やらコソコソ喋っていた。 美奈と志桜里ね…… なんだろう、その違い。 歳?雰囲気? まぁ、わからなくはないが… そんなことを思っていると、気が付けば、木原さんが私たちの会計までしてくれている。 慌てて駆け寄り、自分たちの分を払おうとした。 「オレが一緒に飲もうって誘ったんだから、これくらいはカッコつけさせてよ」 なんて言われて、コイツ慣れてやがる、と感じてお言葉に甘えた。
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