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しばらく頭を下げていたが、顔をあげた時、こちらを見ていた人物と目が合った。
!!!!!!
そこにいたのは、人生ではじめて記憶をなくすほど飲んで酔っ払った日に、一夜を共にした人だった。
その人、進藤さんは、表情の読めない顔で私を見ていて、目が離せなかった。
長い時間だったようにも思えるし、一瞬だったのかもしれない。
「横田?どうかしたか?」
坂上さんに声をかけられて、我に返った。
「あ、坂上さん……。あ!あの、本当にご迷惑おかけしてすみませんでした!助かりました」
「いや、大事に至らなくて良かったよ。でも、そんなに怯えるなんて、何があったんだ?」
ここまで助けてもらっておいて、黙ってるのもどうかと思い、坂上さんに事の経緯を話すことにした。
ふと、進藤さんがいたところを振り返るが、彼はもうそこにはいなかった。
なぜ彼がここに?
いや、店なんだから、買い物客として来ていてもおかしくはないか。
それにしてもタイミングが悪い。
いつから見られてたんだろう?
誤解、されたよね……
なぜだかわからないけど、見られていたと知り、妙に心が落ち着かなかった。
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