元カレ

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「ふぅん。なるほどね」 かいつまんで、篤志との出会いから、別れ、現在に至るまでを坂上さんに話した。 「また随分厄介なヤツに好かれてんだなぁ」 「あはは……」 「要するに、復縁を迫りに来たんだろ」 「そう…なんですかね……」 復縁というか、そもそも篤志は別れたつもりがない、などと言っていたが。 「今日は帰ってったけど、なんか、あれで諦めるとは思えないんだよなぁ… 横田、あいつ家とか知ってんのか?」 「いえ、引っ越したので、知らないと思います」 「そうか。店に来るぐらいだもんな。店なら俺がいるって知らしめたから大丈夫な気がするけど…でも今度は、横田が一人の時に捕まえようとするかもな。そうなると、つけられる可能性もあるから、しばらく気をつけといた方がいいぞ」 確かに、あれで終わるとは思っていない。 話をしようにも、すぐ逆上するので、一対一で向き合うのは怖すぎる。 直接暴力を振るわれたことはないけれど、あれからどう変わってしまったかわからないし、絶対危害を加えられないとも言い切れない。 万が一、つけられて家まで押し掛けられたら…… そう考えると、恐怖でゾワッとした。 顔が青くなったのかもしれない。
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