616人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
「ふぅん。なるほどね」
かいつまんで、篤志との出会いから、別れ、現在に至るまでを坂上さんに話した。
「また随分厄介なヤツに好かれてんだなぁ」
「あはは……」
「要するに、復縁を迫りに来たんだろ」
「そう…なんですかね……」
復縁というか、そもそも篤志は別れたつもりがない、などと言っていたが。
「今日は帰ってったけど、なんか、あれで諦めるとは思えないんだよなぁ…
横田、あいつ家とか知ってんのか?」
「いえ、引っ越したので、知らないと思います」
「そうか。店に来るぐらいだもんな。店なら俺がいるって知らしめたから大丈夫な気がするけど…でも今度は、横田が一人の時に捕まえようとするかもな。そうなると、つけられる可能性もあるから、しばらく気をつけといた方がいいぞ」
確かに、あれで終わるとは思っていない。
話をしようにも、すぐ逆上するので、一対一で向き合うのは怖すぎる。
直接暴力を振るわれたことはないけれど、あれからどう変わってしまったかわからないし、絶対危害を加えられないとも言い切れない。
万が一、つけられて家まで押し掛けられたら……
そう考えると、恐怖でゾワッとした。
顔が青くなったのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!