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凄く満たされた……
なんて、浸っている場合じゃない!
今のうちに帰らなきゃ!
まだ逃げ帰る選択肢は有効で。
あの男が誰なのか、ここまでの経緯も気になるが、朝っぱらからあんなに乱れた姿を見せてしまい、恥ずかしいことこのうえない。
だから、この場だけで終わらせた方が良いだろう。
少し好みではあったが、責任取って付き合って、なんて言うつもりはない。
お酒が絡んだ一夜のあやまち、大人の対応で後腐れなく去ろう。
そう思って、周りをキョロキョロと見回して自分の服を探す。
すると、昨日来てた服が近くにある机の上にきちんとたたんで置かれていた。
………はて?
そしてさきほど脱がされたパンツはベッドの下の方に転がっていた。
それを見つけて顔が赤くなる。
ついつい、先ほどまでの情事を思い出してしまう。
私ってば、好きでもない相手とセックスできちゃうヤツだったのね。
ちょっとショック。
しかも(たぶん)初対面なのに、あんなに感じちゃって…
はじめは確かに強引で、ちょっとイジワルなところもあったけど、
優しいところもあったし……そんなにイヤじゃなかった。
最終的には確認されたし、頷いたのも私。
結局は合意でシたってことになる。
もしかして欲求不満だった?!
それとも単にご無沙汰だったから?
でも、過去に彼氏はいたけど、こんなに満たされた感あったっけ?
なんか……すごく良かったな……
は!いかんいかん!
さきほどまでの淫らな行為を、頭を振って記憶を消そうとする。
「うっ……。あったま、いった~」
そういえば、二日酔いだった。
頭を押さえて、彼からもらったミネラルウォーターに口をつける。
それから気怠い体をなんとか動かして服を身につける。
そうしてリビングに出たところで、濡れた頭をタオルでガシガシしながら戻ってきた彼に出くわした。
げ!!
逃亡失敗……
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