和解

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「久々に会った時も、すぐ怒ってたし、やっぱり変わってないって思って、怖くて仕方なかった。けど、私の態度も良くなかった。ごめんなさい」 私もまた頭を下げ謝罪する。 「いや、志桜里が謝る必要はねーよ」 「なによりも、はじめにハッキリ断れば良かったね。そしたらこんなに(こじ)らせてなかったかも。言えなくてごめんね」 「志桜里は優しいからな。たった四ヶ月でも、オレは志桜里と付き合えて嬉しかったんだよ」 たった四ヶ月……私からしたら四ヶ月も、だ。 「でも話せてスッキリした。ありがとな。 それと、もうここには来ないから安心しろよ」 「うん。……え?スーツは?」 「そんなの口実に決まってんだろ。それに、オレはまだ、ここでスーツオーダーできるレベルじゃねーし」 本当に必要なかったのか。 だったら売り場の人には迷惑かけただけになってしまったな。 「レベルとか別に…みんながみんな、そんな高級なスーツ買ってるわけじゃないよ。リーズナブルのだってあるんだし」 「ははは!普段スーツなんて着ないんだから、そんな何着もいらねーよ! 次に買い替える時までにレベル上げて、そん時にオーダーしに来るわ」 「……わかった。待ってる」 「待ってる、て、いつになるかわかんねーのに、ずっとここで働くつもりかよ」 「え?そのつもりだけど」 接客は好きだし、外商をするつもりもない。 クビにでもならない限り、ここで働くつもりだ。 私の返答に、屈託なく笑う篤志。 自然と私も笑みがこぼれた。 はじめてではないだろうか。篤志とこんなに穏やかに会話したのは。
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