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「え?もしかして、誰かにストーカーされてんのか?
あ、言っとくけど、オレじゃねーからな!」
「あ、うん。わかってる。……たぶん、気のせい。大丈夫」
「ホントに大丈夫か?ちゃんと彼氏に助けてもらえよ」
「あ、うん。そう、だね」
篤志がつけてたのは一回だけ。
しかも、部屋に入ったのを確認したあとは、すぐ帰った……
「あー、その……、悪かった。彼氏にも謝っといて」
彼氏、か……
坂上さんに疑念を抱いてしまう。
「これでキッパリ諦めるから、最後にちゃんとフってくんね?」
篤志はケジメをつけて前に進むために、今日ここに来たんだな。
「篤志……。好きになってくれてありがとう。でも、篤志の気持ちには応えられない。ごめんなさい」
「うん。……わかった。ありがとう。それと、今までホントごめん」
そう言って立ち上がる。
「志桜里、幸せになれよ。じゃーな!」
去って行く背中に向って「篤志!ありがとう!」と言うと、篤志は少し振り向いて片手をあげて返事した。
話せてよかった。
篤志の態度の裏には、そんな気持ちがあったんだとびっくりしたし、全く気づけなくて、付き合ってるときは怖くて苦痛だったけど、やっぱり私の態度もよくなかったな、と反省した。
そして、坂上さんに対して、不信感が残った。
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