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「で、岩元さんと私は友人設定でいい?」
「はい」
「あ、友人だから敬語使っちゃダメよ」
「え!?横田さんにタメ口とかムリです!!絶対ボロが出ます」
え…、まさかそこで抵抗されるとは思ってなかったな。
私、そんな先輩風吹かせてるのかしら…
じゃあ、どうしようかな。
敬語で話すけど、一緒に買い物するって、どんな関係?
もう普通に、先輩と後輩しか出てこない。
悩んでいたら、いい設定を思いついたらしい岩元さんが嬉々として提案してきた。
「あ!じゃあ、義理のお姉さんていうのはどうでしょう?私の兄の奥さん!だったら敬語でもアリです!」
「は?……えっと、私、人妻なの?指輪してないけど…」
「指輪……あ!なら、今はまだ彼女だけど、もうすぐ結婚するから姉になる予定!」
「細かいな…でも彼氏の妹とショッピング行ったりする?」
「…行きます!仲良くなってきたので初めて来たことにします!」
なんだかよくわからないが、岩元さんがノリノリだし、それなら敬語でもおかしくないのかな、とおかしな設定を許可した。
別に誰かに説明するわけでもないし。
「でも、苗字呼びはよくないから、名前にしよう。いい?早苗ちゃん?」
「はいっ!!!なんなら今後ずっと名前呼びで大丈夫です!横田さん!じゃなくて、志桜里さん!」
「はは、りょうか~い」
なぜかテンション高い岩元さんを連れ、もうすぐ結婚する彼氏の妹とショッピングにきた体を装い入店する。
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