599人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
そして、今日は休みを取って救命講習を受けに来ている。
早苗ちゃんが受講しに行ったことを聞いて、あのあと私も申し込みをしたのだ。
講習は消防署の一室で行われる。
「おはようございまーす!本日担当させて頂きます田上です。みなさん今日はよろしくお願いしまーす」
凄い元気な人。
年は同じくらいかな。
去年担当してくれた坊主頭の人はいないっぽい。
ま、何人もいるから、そうそう同じ人が担当しないよね、なんて少し残念に思っていた。
主となって説明しているのは田上さんだが、ほかに男性が一人と女性が一人、補助についてくれている。今日講習を受けるのは9人と少ない。
「お姉さん上手ですね!」
実技になった時に田上さんにそう言われる。
「ありがとうございます。実は私、去年も受けてるんです」
「マジっすか!あ、じゃあ毎年受ける感じで?何やってる人なんですか?
あ、待って。当てる!うーん……保育園の先生?!」
田上さんのテンションの高さに苦笑いしながら返事する。
「残念。違います~」
「えー?違うんですか?でも似合ってそうですよ!子どもたちから人気の先生。じゃあホントは何の仕事してるんですか?」
「ふふ。ただの接客です」
「あ、でもそれもわかる!めっちゃいい笑顔ですもん!お姉さんが接客してくれるなら、オレ毎日でも通っちゃいますよ!」
「うふふ。調子いいですね」
お調子者のようだ。
というか、ちょっとチャラそう……
最初のコメントを投稿しよう!